
まず、対象物を目的とする温度まで加熱する場合、以下の式から加熱に必要なエネルギーが算出されます。
P = (m・Cp・(T1-T0) ) / t
P :電力(W) T0:加熱前温度(K)
m :重量(kg) T1:加熱すべき温度(K)
Cp:比熱(J/(kg・K)) t:加熱時間(s)
上記の通り、重量、比熱、温度(ΔT)から絶対的に必要なエネルギー:ジュールJが決まり、それを加熱時間で
除することで必要なワットWが算出されます。
さらに加熱効率を考慮しなくてはいけないのですが、この加熱効率の設定が机上の計算ではなかなか難しいのです。
赤外線加熱の場合、対象物の形状、材質による赤外線吸収率、ヒータ~加熱対象物までの距離(照射効率)などの様々な
要素により最終的にヒータに求められる出力Wが決まります。
弊社では加熱効率の設定について、ラボで実験を行い、設定することを推奨しております。
急速加熱は、加熱時間が短い=必要となるワットWが大きくなる、という傾向にあります。
そのうえで、弊社・近赤外線ヒータが他の加熱方法・ヒータと比較し、「急速加熱」として特にメリットが見込めるのは
加熱対象物が「樹脂」、「ガラス」の場合であると考えています。
以下に加熱対象物「樹脂」、「ガラス」において各加熱方式・ヒータによる比較評価の結果をまとめました。
万能で最適なヒータというものはありませんが、加熱方法・ヒータ選定の一助としてご活用ください。
※「樹脂」の場合はより多くご採用頂いているフィルム、「ガラス」については板ガラスを想定しております。
※ 弊社による現時点の見解です。異なる見解をお持ちでしたらご指摘頂けますと幸いです。
| 樹脂 | ガラス | |||
|---|---|---|---|---|
| 高周波誘導加熱 ※IH |
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加熱不可 不導体のため
金型などを加熱し間接的な加熱は可 |
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加熱不可 不導体のため
金型などを加熱し間接的な加熱は可 |
| 通電加熱 | ![]() |
加熱不可 | ![]() |
加熱不可 |
| 誘電加熱 ※マイクロウェーブ |
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材質的に加熱しづらいものが多い | ![]() |
材質的に加熱しづらいものが多い |
| 伝導加熱 ※ロール加熱など |
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ある一定温度までは高効率 | ![]() |
部分的に加熱されると割れる可能性有り |
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(フィルムの場合)温度によりロールに貼りつく | |||
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接触するため製品に悪影響がでることあり | |||
| 対流加熱 ※熱風炉など |
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温度、流量の上限により加熱能力は低い | ![]() |
温度、流量の上限により加熱能力は低い |
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(フィルムの場合)バタつきの発生 | ![]() |
風によりほこりや異物付着の可能性有り | |
| 放射加熱 ※赤外線ヒータなど |
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汎用的で加熱能力は高い 赤外線の中でも近赤外線は高出力 |
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汎用的で加熱能力は高い |
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500℃以上では透過率が高く昇温できない? 波長により加熱効率に差異有り |
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「急速加熱」を実現させるためには、基本的に単位時間当たり大きいエネルギーを投入する必要があります。
弊社・近赤外線ヒーターは単位面積当たりに投入可能なエネルギkW/m^2が大きいため、「急速加熱」を実現できるヒータです。
赤外線に特化した資料 五 輪 書も是非ご覧ください
処理・搬送速度をアップさせるためより急速に加熱する必要がある、目的温度に規定の時間(短時間)で加熱する必要が
あるといった課題をお持ちの際には、弊社までお気軽にご相談ください。
ラボやデモ機で、加熱能力を検証して頂き、”最適な加熱方法”・”ヒータの選定”のお手伝いをさせて頂けましたら
幸いです。